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なぜスティーブン・ショアは滋賀なのか?

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コロナ禍には「不要不急の県境を越えての移動は避けるように」とよく言われた。顔出しでユーチューバーなぞやっている身分だと常に衆人環視下なので行動は気をつけなければならない。真面目に言いつけを守り、居住地の滋賀県大津市からなるべくはみ出さないよう暮らした。 さりとてカメラレビュー動画を主コンテンツとしている以上どこかでカメラを試写しなければならない=外に出つつも感染対策的に問題なく写真を撮らねばならない。大津市内を巡り人気(ひとけ)のない界隈を撮り歩くうちに「郊外」というひとつの方向性に達した。アンチ・クライマックスの何も起きない郊外で、ユルくChillい景観。となると参考になるのはやはりスティーブン・ショア様である。 写真集 スティーブン・ショア(Stephen Shore) 「Uncommon Places(アンコモンプレイシズ)」 こないだショア様の代表作ともいえる写真集「Uncommon Places」を滋賀の友人に薦めたところ早速こんなことを呟いていた。 なんかショアっぽい気がする(笑) @jetdaisuke https://t.co/JurFCiUR4d — アリモプレオ (@arimopleo) March 2, 2024 そう、敦賀にはスティーブン・ショアみがある。もともと「この写真集は滋賀県だよ」と言って薦めたのでその延長としての言葉なのだが(敦賀は福井県だが、滋賀県を縦断するJR新快速の終点でもある)、富山育ちの僕にしてみれば、これは富山だとも言える。 だいたい日本のどこでも──よほどの都会以外なら──それは当てはまると思う。新幹線に乗って埼玉県の大宮駅から北上していくとアンコモンプレイシズだらけである。東海道新幹線でも横浜を過ぎて富士山が見え始めるあたりは完全にそれ、いわゆる郊外の景色だ。 90年代の末に仕事で初めてロサンゼルス郊外を訪れた際、同行者たちは口々にここに住みたいと言っていた。しかし僕だけは「ここ富山と同じなんだけど」と口にしてひんしゅくを買っていた。 街の中心から離れればロードサイド店が建ち並び、巨大ショッピングモールまでハイウェイを何十kmもひた走る。いつまでも70〜80年代のような色の空。The 郊外!サバービア。ロス郊外でも富山でもいいじゃない。滋賀でも敦賀でも同じ、郊外はだいたいこう。