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ミラーレスがZOOM用のウェブカムになる時代だからこそ気をつけたいAFレンズのフォーカシング駆動

友達も仕事もすくないワタクシでさえ「ZOOM」という名前くらいは知っている(使ったことはない)、そんな世の中です。

このところの外出自粛によりビデオ会議オンライン飲み会などが流行った結果、SIGMA fp のウェブカムとしての実力が認知され、売れ筋ランキング上位に入るという興味深い現象が起きているようです。

キヤノンのほうでもEOSをウェブカムとして動作するよういち早く対応、ここに来て富士フイルムもXおよびGFXを対応させるという流れに。

さすがに中判センサーのウェブカムというのは新しい生活様式のなかでもとりわけリッチな感じがしますね。しかし両社ともまずはWindowsから対応というのは、ユーザを見てるんだか見てないんだか。

ところでワタクシ、CP+のようなカメラ展示会でよく登壇させていただくのですが、おもに話す内容としては一眼レフやミラーレス一眼でのビデオ撮影について、なかでもYouTube動画などネット動画コンテンツにおけるそういったカメラの利用についてです。

そういった講演でかならず話すのが、スチル撮影に求められる機材との違いについてです。写真撮影のように、時間の流れの中から一枚だけ静止画を得る方法とは根本的に違うのです。

講演事例:ご参考まで

具体的にスチルとビデオとでどう変わってくるかといえば尺の存在です。過去・現在・未来という一定方向で流れる時間のことです。ビデオ撮影においてはシャッター速度(露光時間)が1/250秒だろうが1/30秒だろうが尺には影響しません。30秒間記録したなら30秒間の尺のビデオが存在するということです。尺があるということは、録画開始から停止まで、撮影中の全イベントが内容に影響します。良くも悪くもです。もちろんカメラ機材に由来するものも含みます。

たとえばカメラがフィルムを送る音、テープを回すジッター音などを拾ってしまうナドがそうです。まあ今現在の民生利用ではそういう機材に悩まされることは少ないですよね。

でも、AFモーターの駆動音を拾ってしまうということはあります。お話しするためのレンズはぜひとも駆動音が小さいものをお選びください。例えば富士フイルムでは「Xマウントレンズに搭載しているモーターと特徴を教えてください」というページを用意しています。わかりやすいです。

また、時間軸が存在するということは、AFが合焦するまでのあいだの画も収録(ビデオ会議なら配信)されることを理解しておかなくてはいけません。あなたがちょっと前後に体を動かすだけで、ビデオチャット中のピントが変わるかもしれません。もしその動きが頻繁で、なおかつ高速AF動作すぎる場合には、画面がうるさくなってしまうこともあります。もしカメラ側のメニューで設定項目があるなら、AFの動作速度や乗り移り特性をゆっくり目にしておく方が良いですね。

ウォブリングといって、フォーカスを合わせるためのAF動作でブウォンブウォンと前後に行ったり来たりを繰り返すこともあります。こうなってしまうと目もあてられません。また、ピント調整のためにレンズ群が動くことで、微妙に画角(画面に写る範囲)が変化してしまうブリージングという現象も起こり得ます。このブリージングに関しては以下の動画の終盤で実例をお見せしております。

富士フイルムでは「Xマウントレンズのフォーカス方法と特徴を教えてください。」というページも用意していますね。上で紹介したAFモーターの種類のページとあわせて眺めてみると、ビデオ撮影に使うべきレンズが見えてくるかもしれません。ちなみにブリージング耐性がいちばん良いんではないかと思われるシネレンズ2製品は残念ながらというか当然ながらMFレンズですね。

ミラーレスデジカメは、一般的なビデオカメラ製品と違って、非常に大型のセンサーを搭載しているものがほとんどです。したがって十分な照明を用意してない一般家庭の室内では、被写界深度が浅くなり、AF動作も頻繁に行われる場合があるかもしれません。今回挙げた
  • AFモーターの駆動音
  • AFの動作速度
  • AFの測距点乗り移り特性
  • ウォブリング
  • ブリージング
といった面に気を配ってみると、今後買うべきレンズへの考え方が変わるかもしれません。一眼レフやミラーレスというのは基本的にスチルカメラです。スチル撮影のみを前提としたレンズだとブリージングやAFモーターの駆動音については全く考慮されていない製品も多々あります。カメラ雑誌などで評判が良くても、ビデオ撮影に使ってみるとまったく話にならないということも。一眼にビデオ撮影機能がなかった古い時代のレンズについても同様です。ビデオ撮影の機能に定評、実績・歴史のあるメーカーの製品を選ぶことも大切かと思います。

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